中国の質問サイト「知乎」に、2026年9月11日、日本人向けのビザ料金をめぐる質問が立った。「在日本中国大使館が、日本人向けのビザ料金を調整した。外交部は『対等の原則による取り決め』と述べた。どんな点に注目すべきか」。閲覧は48.7万回、回答は95件(10月16日時点)。賛同のいちばん多い回答(527)は、「30日のビザ免除をやめないまま、料金だけ上げるのは、笑い話だ」と書いた。そのあと1か月の数字で、答え合わせをした。
元投稿
質問:中国驻日本大使馆调整对日签证规费,外交部表示是根据对等的原则作出的安排,哪些信息值得关注?(在日本中国大使館が、日本人向けのビザの手数料を調整した。外交部は、対等の原則に基づく取り決めだと述べた。どんな情報に注目すべきか)
補足:「9月11日、外交部の毛寧報道官が定例記者会見を開いた。記者が尋ねた。中国側が、日本国民が中国へ行くビザの料金を引き上げると発表したが、外交部はどう見るか。毛寧氏は、駐日本中国大使館がすでに通知を出している……」
知乎/2026年9月11日/フォロワー251・閲覧487,523回・回答95件
→ https://www.zhihu.com/question/2081747031857615939
回答1「30日の免除をやめないまま、料金だけ上げるのは、笑い話だ」
回答者:怎麽改名都違規(プロフィールの表示「不敢言」)
投稿日:2026年9月11日
賛同527・コメント170
→ 回答ページ
30天免签不取消搞这个涨价就是闹笑话
30日の免除を取りやめないまま、この値上げをするのは、笑い話だ。
正常日本普通护照持有者赴华从事旅游、经商、探亲访友、交流访问、过境,停留不超过 30天,一直到 2026年12月31日 都可以免签
ふつうの日本の旅券を持つ人が、中国へ観光、商用、親族訪問、交流・訪問、乗り継ぎで行き、滞在が30日以内なら、2026年12月31日まで、ビザなしで入れる。
免签的话实际签证费就是0
ビザなしなら、実際のビザ料金は、ゼロだ。
有人说年底就要取消对日免签,个人持保留态度,中国24年底恢复对日免签以后,长三角日本游客明显变多
年末に、日本へのビザ免除をやめる、と言う人がいるが、私は慎重な見方だ。中国が2024年の末に、日本へのビザ免除を再開してから、長江デルタには、日本からの旅行者が目に見えて増えた。
そのあと回答は、「免除の30日が切れそうなら、香港・マカオの出入口に行って、更新すればよい。横琴で出入境すれば、2時間でまた30日もらえる」と書き、「年末に免除が取り消され、さらに日中の航空路線が大きく減れば、中国にいる日本人旅行者は、大きく減るだろう」と結ぶ。
回答2「来年は、日本人のビザ免除が終わりそうだ。日本人は、これまで甘やかされていた」
回答者:loche
投稿日:2026年9月11日
賛同362・コメント50
→ 回答ページ
看样子明年对日免签要结束了,高市不会收回言论的。
この様子だと、来年は、日本へのビザ免除が終わりそうだ。高市氏は、発言を取り下げないだろう。
美国人至今都需要签证来中国,但是商务活动照常进行,还有之前欧洲人,韩国人,也需要签证来中国。那些说取消免签,会影响投资的言论,可以休矣。
米国人は、今も、中国に来るのにビザが要るが、ビジネスは、いつもどおり進んでいる。以前は、欧州の人も、韓国の人も、ビザが要った。ビザ免除をやめると投資に響く、という言い方は、もうやめてよい。
日本人过去20多年,纯粹是被惯坏了,认为免签是理所当然。
日本人は、この20年あまり、甘やかされて、ビザ免除は当たり前だと思っている。
回答3「ビザの値上げは、中国に30日より長く滞在する日本人だけに効く」
回答者:羽香里小姐丶
投稿日:2026年9月11日
賛同160・コメント26
→ 回答ページ
所以签证涨价只是针对那些需要在中国停留超过30天以上的日本籍人员。
だから、ビザの値上げは、中国に30日を超えて滞在する必要のある日本国籍の人だけに向けたものだ。
根据外務省「海外在留邦人数調査統計」的数据可以得到截止2025年,日本在中国长期停留的人数有92,938人,但是这个数字每年都在减小,所以按照趋势 我推测目前的在中国长期停留的日本人的数量大约是9万整。
外務省の「海外在留邦人数調査統計」のデータでは、2025年までに、日本人で中国に長期滞在している人は92,938人だ。この数字は毎年減っているので、傾向から、いまの長期滞在の日本人は、約9万人ちょうどだと推測する。
日本签证是从7月1日开始涨价的 然而2026年7月中国入境日本人数为42.82万人 光是7月份的人数就是国内受影响的概率就是日本人的4.76倍。
日本のビザは7月1日から値上がりした。ところが、2026年7月に中国から日本へ入国した人は42.82万人で、7月だけで、国内の人が影響を受ける確率は、日本人の4.76倍だ。(回答の「中国入境日本人数」は、中国から日本に入国した人の数を指すと読める)
裏取り(いまの数字で答え合わせ)
確認できたこと
日本が先に、ビザ手数料を5倍にした。外務省は6月19日、外国人が訪日するときのビザの手数料を、7月1日から改めると発表した。1回だけ入国できる「一次」は約3,000円から約1万5,000円に、何回でも入国できる「数次」は約6,000円から約3万円になる。48年ぶりの改定だった(トラベルWatch)。渡航の目的や国籍によって、金額が違う場合もある。発給の上位は中国・フィリピン・ベトナムで、中国が全体の73%を占める(トラベルボイス(7月1日))。
中国が、9月14日から、日本人向けの手数料を上げた。在日本中国大使館が9月11日に発表した。「一次」は2,250円から1万6,750円へ約7倍、「数次」は7,500円から5万250円になる。中国外務省の毛寧報道局長は「相互主義に基づく対応」と説明し、共同通信は、日本が7月からビザ手数料を5倍にしたことへの措置とみられる、と伝えた(共同通信(熊本日日新聞・9月11日))。報じられた金額で比べると、中国が日本人に課す額は、日本が外国人に課す額(約1万5,000円・約3万円)より高い。「対等」と「同額」は、別の話だ。
回答1・3の「30日以内はビザなし」は、事実だ。中国は2024年11月、観光やビジネスで短期滞在する日本人へのビザ免除を、約4年半ぶりに再開し、滞在できる期間を15日以内から30日以内に延ばした(共同通信)。2025年11月には、日本を含む国へのこの措置を、2026年12月31日まで1年間延ばすと報じられた(ビザ代行会社の解説(2025年11月))。つまり、30日以内の旅行や出張の人は、料金の値上げの影響を受けない。
回答3の、7月の「42.82万人」は、日本政府観光局の数字に合う。2026年7月に日本を訪れた中国の人は42万8,200人で、前年の同じ月より56.1%減り、8か月連続の減少だった(トラベルボイス(日本政府観光局の速報・8月19日))。中国の長期滞在の日本人は、外務省の2025年10月の調査で92,928人(回答の92,938人と、一の位が違う)だった(外務省)。
違った・古かったこと
回答3の「日本のビザは、日本人の4.76倍の人に影響する」は、比べ方が違う。42.82万人は、7月の「1か月に日本に来た中国の人」の数で、そのうち、ビザが要る人の数ではない。一方、9万人は、「中国にずっと住む日本人」の数で、30日以内の旅行者は含まない。1か月の人数と、滞在者の人数は、並べて割れない。値上げは、ビザが要る人だけにかかる。
回答1の「値上げは、笑い話」は、30日以内の人には当たるが、すべてではない。30日を超えて滞在する人(留学・駐在・長期の出張・家族の帯同など)には、ビザが要る。回答3の言うとおり、影響は、長期滞在の人に偏る。ただ、中国に滞在する日本人の数がどれだけ影響を受けるかは、料金だけでは決まらない。
確かめられなかったこと
回答1の「横琴で出入境すれば、2時間でまた30日もらえる」は、確かめられなかった。「2024年末の再開から、長江デルタの日本人旅行者が目に見えて増えた」も、数字を見つけられなかった。回答2の「来年は、日本へのビザ免除が終わる」は予想で、2026年12月31日より先の扱いは、まだ報じられていない。「30日が切れそうなら、更新できる」という方法についても、中国当局の規定は確認していない。
この記事の答え合わせに使った数字(日中のビザ手数料)
| 日本の一次ビザの手数料(7月1日から) | 約3,000円 → 約1万5,000円 |
| 日本の数次ビザの手数料(7月1日から) | 約6,000円 → 約3万円 |
| 日本が発給するビザに占める中国人 | 73% |
| 中国の一次ビザの手数料(日本人・9月14日から) | 2,250円 → 1万6,750円(約7倍) |
| 中国の数次ビザの手数料(日本人・9月14日から) | 7,500円 → 5万250円 |
| 日本人の短期滞在のビザ免除(中国) | 30日以内・2026年12月31日まで |
| 訪日中国人(2026年7月) | 42万8,200人(前年同月比−56.1%・8か月連続の減少) |
| 中国の在留邦人(2025年10月) | 92,928人 |
日本視点
この記事は、日本のニュースが、中国の人にどう読まれているかを見るものだ。中国の人の多くは、今回の値上げを、「日本が先にやったことへの、対等の返し」としつつ、実際の影響は小さいと読んだ。回答1・3は、「30日以内ならビザなし」を、その根拠にした。
日本の数字では、「30日以内はビザなし」は事実で、短い旅行や出張の人は、料金の影響を受けない。ただし、その免除は、2026年12月31日までと報じられた期限つきだ。一方、日本から中国に長く滞在する人(約9.3万人)には、新しい料金がかかる。そして、日本のビザ手数料の引き上げは、発給の73%が中国の人で、中国からの訪日客が、すでに前年より56.1%減っている時期に重なった。「対等」というより、お互いに、行き来のコストを上げた形だ。
どこが当たっていて、どこがずれているか
- 当たっている:中国が日本人向けのビザ手数料を9月14日から上げたこと、30日以内の短期滞在はビザ免除(2026年12月31日まで)、日本が7月から5倍にしたこと、訪日中国人の42.82万人(7月)、中国の在留邦人が約9.3万人。
- ずれている・注意が必要:「4.76倍の人に影響」(1か月の訪問者と、長期滞在者の比較)、「値上げは笑い話」(30日を超える人には、実際にかかる)、「対等」(報じられた金額では、中国のほうが高い)。
- 確かめられなかった:「横琴で出入境して、30日を更新できる」、「2024年末から長江デルタの日本人旅行者が増えた」、「来年のビザ免除の終了」。
日中関係の戦後の歩みを、対立と共存の両面から、中国の国のかたちの変化とあわせてたどる1冊です。ビザや往来のニュースの背景を、歴史の流れで知りたい人に向いています。
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まとめ
- 知乎で48.7万回読まれた質問「在日本中国大使館が、日本人向けのビザ料金を調整した。外交部は『対等の原則』と述べた」。賛同のいちばん多い回答(527)は「30日の免除をやめないまま料金だけ上げるのは、笑い話だ」と書き、3番目(160)は「値上げは、30日を超えて滞在する日本人だけに効く」と見た
- いまの数字では、日本が7月に5倍(一次は約1万5,000円)にし、中国が9月14日から日本人向けを約7倍(一次は1万6,750円、数次は5万250円)にした。30日以内の短期滞在のビザ免除は、2026年12月31日までと報じられた。訪日中国人は7月に42万8,200人で、前年同月比56.1%減
- 回答3の「日本のビザは、日本人の4.76倍の人に影響する」は、1か月の訪問者と長期滞在者を比べていて、並べられない。「横琴で出入境して30日を更新できる」「2024年末から長江デルタの日本人旅行者が増えた」は確かめられなかった
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