中国の質問サイト「知乎」に、2026年2月4日、任天堂の新しいゲーム機をめぐる質問が立った。「任天堂が初めて、Switch 2は日本以外で、売れ行きが想定を下回ったと認めた。考えられる原因は何か」。閲覧は86.2万回、回答は193件(10月20日時点)。賛同のいちばん多い回答(910)は、「性能が上がりきらないのに、2年遅れで出した。中身は『Switch Pro』だ」と答えた。この記事では、任天堂の決算の数字で、この「売れていない」という見方を、半年あとの時点で答え合わせした。
元投稿
質問:任天堂首次承认 Switch2 日本以外销量不及预期,可能的原因有哪些?(任天堂が初めて、Switch 2の日本以外での売れ行きが、予想に届かなかったと認めた。考えられる原因は何か)
補足:「据IGN报道,本周在与股东的交流中,任天堂社长古川俊太郎承认Switch 2在日本以外地区的销量“略低于预期”。这是任天堂首次公开正面表态。」(IGNの報道によると、今週の株主との質疑で、任天堂の古川俊太郎社長は、Switch 2の日本以外の売れ行きが「予想をやや下回った」と認めた。任天堂が公に、はっきり述べたのは初めてだ)
知乎/2026年2月4日/フォロワー323・閲覧861,587回・回答193件
→ https://www.zhihu.com/question/2002526333016773459
回答1「性能が上がりきらないまま、2年遅れで出した。これは『Switch Pro』だ」
回答者:王东来
投稿日:2026年2月8日
賛同910
→ 回答ページ
由于ns卖的太好,所以导致了ns2升级延期,本来应该在2023年就,应该端出来的菜,硬生生拖到2025年才发售
初代Switchが売れすぎたせいで、Switch 2への世代交代が遅れた。本来は2023年に出すはずだった料理を、無理やり2025年まで引っ張って発売した。
所以最大的问题就是这个原本叫做NS2的机器,其实应该叫NS Pro,由于两代机器在性能上没有完全拉开差距,所以使得玩家对于升级主机的意愿不强。
だから、いちばんの問題は、「Switch 2」と呼ばれているこの機械が、実は「Switch Pro」と呼ぶべきものだということだ。2つの世代の性能に、はっきりした差がつかなかったので、遊ぶ人が買い替える気になりにくい。
回答2「Switch 2の心臓部(チップ)は、戦略級の失敗だ。見捨てられた駒になった」
回答者:小青爱好者
投稿日:2026年2月8日
賛同216
→ 回答ページ
2025年当台积电3nm 开始大面积普及的时候,还在用三星8nm的ns2作为移动设备开始全面暴露出来自己硬件的缺陷
2025年に、台湾のTSMCの3ナノメートルが広く普及し始めたとき、まだサムスンの8ナノメートルを使っているSwitch 2は、携帯機として、ハードの欠点を全面的にさらけ出した。
任天堂受众群体可能看不懂什么叫三星8nm,但是看的懂体积大 续航差这么明显的物理表现
任天堂のお客さんには、「サムスンの8ナノ」の意味はわからないかもしれないが、「大きい」「電池が持たない」という、目に見える形の弱点なら、わかる。
ns2基本就是悲催的弃子,整个生涯三星8nm,任天堂只能等熬到老黄准备推出全新自研arm cpu+gpu换ns3救命了
Switch 2は、基本的に、哀れな見捨てられた駒で、寿命の最後まで、サムスンの8ナノのまま。任天堂は、エヌビディアのジェンスン・フアン氏が、まったく新しい自社設計のArm CPU+GPUを出して、Switch 3に乗り換え、救ってもらうまで耐えるしかない。
回答3「いちばんの原因は、海外の中心層が待つ『看板ソフト』がないこと。ソフトも値上がりした」
回答者:ReiiNoki
投稿日:2026年2月7日
賛同136
→ 回答ページ
最重要的原因还是没有红绿帽这些海外核心玩家最看重的游戏呗。
いちばん大事な原因は、やはり、「赤い帽子・緑の帽子」(マリオ・ゼルダ)のような、海外の中心層がいちばん重視するソフトがないことだ。
Switch2上的游戏在日区普遍比Switch1高了一两千日元,涨了20-25%,而且还取消了任亏券
Switch 2のソフトは、日本版では、Switch 1より1,000〜2,000円ほど高く、20〜25%上がった。しかも、「任亏券」がなくなった(ファンの間の呼び名で、何の制度かは、この記事では確かめていない)。
裏取り(任天堂の決算の数字で、半年後に答え合わせ)
確認できたこと
任天堂が「海外は予想をやや下回った」と述べたのは、本当だ。2026年2月の決算説明会の質疑で、古川社長は、海外のハードの販売は社内の想定をやや下回り、日本は想定を上回った、と述べたと報じられている(IGN報道を引いたTOY PEOPLE)。説明会の質疑応答は、任天堂の公式サイトに掲載された(ファミ通.com)。この時点で、2025年12月末までの累計は1,737万台、通期の販売予想は1,900万台のままだった(gamebiz)。
「売れていない」とは、数字は言っていない。2026年3月期の通期は1,986万台で、予想の1,900万台を上回った(gamebiz)。2026年6月30日の累計は2,368万台で、ゲームキューブの2,174万台を超えた。内訳は、日本670万台、米大陸795万台、欧州537万台、その他366万台。日本は全体の約28%(670÷2,368)で、残りの約72%は海外だ(電ファミニコゲーマー)。「日本以外が売れていない」と言うには、数字は多い。
これから落ち着く、という見方は、任天堂の予想にも出ている。2026年4〜6月のSwitch 2本体の出荷は382万台で、前年同期(発売直後の582万台)より34.4%減った(同じ電ファミニコゲーマー)。2027年3月期の予想は1,650万台(前期より16.9%減)で、「初年度の高い販売水準と、一部商品の価格の変更を踏まえた」見通しだ(gamebiz)。
違った・古かったこと
回答1の「Switch Proだ。性能の差がなく、買い替える気になりにくい」は、売れ行きの数字とは合わない。発売から約13か月(2026年6月末)で累計2,368万台と、ゲームキューブの生涯の台数を超えている。「買い替える気になりにくい」なら、この数字は出にくい。ただし、「性能の差が小さい」は、遊ぶ人の感じ方で、この記事では確かめていない。
回答3の「看板ソフトがない」は、半年後の数字とは合わない。「マリオカート ワールド」は、本体とのセット分を含めて1,470万本(2026年3月期)売れている(gamebiz)。「ゼルダ」の新作が、海外の中心層の期待に応えるかは、この記事では確かめていない。
確かめられなかったこと
回答2の「サムスンの8ナノのチップ」は、任天堂の公式資料では確かめられなかった。回答3の「日本のソフトが20〜25%値上がりした」「任亏券がなくなった」も、ソフトの定価の比較は、この記事では行っていない。回答1・2の「携帯機としての電池の持ち」などの使い心地も、確かめていない。古川社長の「やや下回った」の原文は、IGN報道を引いたメディアの記事までで、任天堂の質疑応答の原文では確かめていない。
この記事の答え合わせに使った数字(任天堂の決算)
| 累計販売台数(2025年12月31日) | 1,737万台(通期予想1,900万台は据え置き) |
| 通期の販売台数(2026年3月期) | 1,986万台(予想1,900万台を上回る) |
| 累計販売台数(2026年6月30日) | 2,368万台(ゲームキューブの2,174万台を超える) |
| 地域別の累計(日本/米大陸/欧州/その他) | 670万/795万/537万/366万台 |
| 2026年4〜6月の出荷(前年同期は582万台) | 382万台(34.4%減) |
| 2027年3月期の予想 | 1,650万台(前期比16.9%減) |
| 「マリオカート ワールド」の販売本数(本体セット分を含む・2026年3月期) | 1,470万本 |
日本視点
この記事は、日本のニュースが、中国の人にどう読まれているかを見るものだ。中国の人の回答は、「任天堂が失敗した」という前提で、原因を探した。「性能が足りない」(回答1)、「チップが古い」(回答2)、「看板ソフトがない」(回答3)。質問の元になった「海外が想定をやや下回った」という言葉は本当だが、任天堂の数字では、通期は予想を超え、累計は2,368万台に達している。
日本側の数字で見ると、Switch 2は「失敗」ではなく、「初年度が強すぎて、2年目は落ち着く」と任天堂が見ている段階だ。回答の「売れない原因探し」より、「予想を超えて売れた初年度のあと、2年目はどうなるか」のほうが、数字には近い質問だ。2027年3月期の予想(1,650万台)が当たるかは、まだわからない。
どこが当たっていて、どこがずれているか
- 当たっている:「海外の販売が、任天堂の想定をやや下回った」(質疑の報道)。2026年4〜6月の出荷が前年同期より34.4%減ったこと(発売直後の前年と比べた数字)。
- ずれている:「性能の差が小さく、買い替える気になりにくい」(回答1)や「見捨てられた駒」(回答2)は、通期1,986万台(予想超え)、累計2,368万台という数字と合わない。「看板ソフトがない」(回答3)は、「マリオカート ワールド」が1,470万本(本体セット分を含む)売れている数字と合わない。
- 確かめられなかった:チップの製造プロセス、日本のソフトの値上がりの割合、使い心地(電池など)、古川社長の発言の原文。
任天堂やソニーなど、ゲーム機が売れる仕組みはどうなっているのか。メーカー、ソフト会社、販売店、そして遊ぶ人。今回のように、決算の数字を読みながら「売れている・売れていない」を考えたい人に向いた、ゲーム業界の入門書です。
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まとめ
- 知乎で86.2万回読まれた質問「任天堂が初めて、Switch 2は日本以外で想定を下回ったと認めた。原因は何か」。賛同のいちばん多い回答(910)は、「性能の差が小さい、これはSwitch Proだ」と答えた
- 任天堂の数字では、2026年3月期の通期は1,986万台(予想1,900万台を上回る)、2026年6月末の累計は2,368万台(ゲームキューブの2,174万台超え)。日本は約28%で、約72%は海外。2027年3月期の予想は1,650万台(前期比16.9%減)
- 「サムスンの8ナノ」「日本のソフトが20〜25%値上がり」は確かめられなかった。「看板ソフトがない」は、マリオカート ワールドが1,470万本(本体セット分を含む)という数字と合わない
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