中国人「日本の安い外食なら、牛丼3社で1人500〜700円。松屋は味噌汁が付いて、いちばん安い」

中国の質問サイト「知乎」に、2021年11月、日本の安い外食をたずねる質問が立った。「日本には、安いファストフードや飲み物は、どんなものがあるか」。閲覧は105万回、回答は68件(10月12日時点)。賛同のいちばん多い回答(1,452)は、スーパーで見つけたパンの写真を載せて、「全部炭水化物。1個が、人民元で約6元(約140円)。安くて手軽そうだ。味は分からないが」と書いた。別の回答(429)は、牛丼チェーンを並べて「吉野家は1人500〜700円、松屋は400〜600円で、3社でいちばん安い」と書いた。それから数年。いまの値段で、答え合わせをした。

元投稿

質問:日本有哪些廉价快餐和饮料?(日本には、安いファストフードや飲み物は、どんなものがあるか)
知乎/2021年11月28日/フォロワー412・閲覧1,054,918回・回答68件
→ https://www.zhihu.com/question/502254086

回答1「全部炭水化物。1個が、人民元で約6元(約140円)。安くて簡単そうだ」

回答者:婉桐(プロフィールの表示「閉月羞花の北方の女、……」)
投稿日:2025年7月2日
賛同1,452・コメント599
→ 回答ページ

那次在日本一家超市发现了这种食品,面包夹面条。真的全部都是碳水,一份售价约合6元人民币。不得不说看起来又便宜又简单,只是不知道味道如何?

あるとき、日本のスーパーで、この食べ物を見つけた。パンに麺をはさんだものだ。本当に、全部が炭水化物だ。1個の値段は、人民元で約6元(約140円)。安くて簡単そうに見えるのは認めるが、味はどうなのだろう。

写真が1枚と、この数行だけの回答。値段の表や店名はなく、「炭水化物だけの食べ物が、この値段で売られている」という驚きが、そのまま賛同を集めた。コメントは599で、上位3つの回答のなかでは、いちばん議論になっている。

回答2「まず吉野家。日本人は人件費が高いから、注文は機械で、店員の数を減らす」

回答者:Aaron.Chen(プロフィールの表示「20か国以上を旅した、軍もののガラクタを集める雑学家、韓国に留学中」)
投稿日:2021年12月11日
賛同959・コメント87
→ 回答ページ

日本人工成本很高所以很多快餐店的点菜都是用机器完成的,这样可以减少店员编制省钱,而且到处都有卖饮料的自动售卖机,正好也能回答廉价饮料的问题。

日本は人件費が高いから、多くのファストフード店の注文は機械で済ませる。店員の数を減らして節約するためだ。それに、飲み物の自動販売機がどこにでもあるので、「安い飲み物」の質問の答えにもなる。

回答は、牛丼の吉野家(日本の吉野家は、生卵を直接ご飯に割って食べられる。飲み物は水・ビール・味噌汁だけで、ソフトドリンクはない)、すき家、松屋、一蘭(麺を食べたあと、スープでご飯をもう1杯)、券売機で注文する小さなラーメン店、定食屋、フードコート、回転寿司を並べる。最後に「中国で有名な『貧乏人の洋食』サイゼリヤは日本の企業で、日本の『沙県』(中国の安い食堂チェーン)にあたる」と書く。賛同は959。

回答3「吉野家は1人500〜700円。松屋は400〜600円で、3社でいちばん安く、味噌汁が付く」

回答者:鸡排排排排排排(プロフィールの表示「悪口は言えない」)
投稿日:2022年7月26日
賛同429・コメント105
→ 回答ページ

コンビニ・スーパーの弁当、ケンタッキー・マクドナルド・スターバックスは除いて、「自分が食べた、1人500〜2,000円の店」を14軒、番号付きで挙げる。値段(1人あたり)は、吉野家500〜700円、すき家500〜700円、松屋400〜600円、なか卯800〜1,200円、ココス1,000〜2,000円、ガスト500〜1,500円、ココイチ600〜1,000円、スシロー1,000〜1,500円、くら寿司1,000〜1,500円、サイゼリヤ1,000円、モスバーガー500円など。牛丼の3社には、こう書く。

松屋,人均400-600左右,是三家快餐店里最便宜的……松屋的牛丼是送味增汤的,吉野家的还要另外花钱买。

松屋は、1人400〜600円ほどで、牛丼3社のなかでいちばん安い。……松屋の牛丼は味噌汁が付いてくるが、吉野家は別にお金を出して買う。

そのほか、ラーメン店は、ラーメン+炒飯+餃子(唐揚げ)の「炭水化物爆発セット」でも、1,000〜1,200円ほど。「金のとりから」は1人300円ほど(220円で鶏肉のフライ)、と添える。最後に「ほかにも、全国チェーンではない店がある。また今度書く」と結んだ。

裏取り(いまの値段で答え合わせ)

確認できたこと

回答3の「牛丼3社のなかで、松屋がいちばん安い」は、いまも合う。2026年は、すき家が牛丼の並盛を480円、吉野家が498円、松屋が460円(みそ汁付き)。並盛だけで比べても、松屋が最も安い(てるこさん・Pricey)。「松屋は味噌汁が付く」は、2026年の比較表でも「みそ汁付き」と書かれており、合う(吉野家が別料金かどうかは確認していない)。

回答2の「人件費が高いから、機械で注文する」は、数字でも裏づく。2026年度の最低賃金は、中央最低賃金審議会の目安で、全国加重平均が1,121円から1,176円(55円・4.9%アップ)と、過去最高の水準になった(nippon.com)。

回答2の「サイゼリヤは、日本の企業で、安い洋食」も合う。ミラノ風ドリアは、2026年8月の時点でも税込300円のままだ。2020年7月以降、主要メニューの価格はほぼ動いていない(てるこさん)。

違った・古かったこと

回答3の「1人500〜700円」は、いまは上の端が近い。牛丼の並盛そのものが、すき家480円・吉野家498円・松屋460円で、サイドメニューを付けると、700円を超えやすい(筆者の見方)。2020年に吉野家387円・松屋320円だった並盛が、2026年は498円・460円で、6年で吉野家は約29%、松屋は約44%上がった(筆者の計算・てるこさん)。

すき家は、2025年9月に450円へ値下げしたが、2026年7月8日に480円へ戻した。2024年からの2年で3回の値上げと、1回の値下げをくり返している。吉野家は2024年7月に468円から498円に上げ、いまも値下げの公式発表はない(てるこさん・Pricey)。回答3が書いた「400〜600円」の幅は、2022年の値段の感覚だ。

サイゼリヤの300円は、「ずっと続く」とは言えなくなった。2026年7月の報道で、国内メニューの価格改定を視野に入れていることが分かった。ただし、7月16日の時点で、開始日・対象・値上げ幅は発表されていない(てるこさん)。

見落とされがちなこと

3つの回答は、「安さ」を店の努力や商品の特徴で語ったが、「安さを支える材料の値段」を語っていない。回答2は人件費、回答3は店の一覧。しかし、すき家が値上げの理由に挙げるのは、牛肉などの原材料費の高騰だ。ところが、同じ2026年に、コメは5キロの平均が2,860円まで下がっている(産経ニュース(X)・10月9日)。当サイトの米価の記事で見たとおり、コメの値段は半年で大きく動いたが、牛丼の値段は、同じようには下がらなかった。外食の「安さ」は、コメだけでなく、肉・人件費・店の家賃を足した値段だ。

確かめられなかったこと

回答1の「パンに麺で、1個が約6元(約140円)」は、写真の商品と値段を確認できなかった。回答3の「ラーメン+炒飯+餃子で1,000〜1,200円」「金のとりから220円」は、2026年の値段を確認していない。スシロー・くら寿司の1皿の通常価格も、期間限定の価格しか見つからず、確認できなかった。回答2の「一蘭の価格」「吉野家の生卵の扱い」と、回答3の「吉野家は味噌汁が別料金」も、確認していない。

日本側のデータ

この記事の答え合わせに使った事実

すき家 牛丼並盛480円(2026年7月8日に450円から値上げ・2025年9月は450円へ値下げ)
吉野家 牛丼並盛498円(2024年7月に468円から値上げ。2020年は387円)
松屋 牛めし並盛460円(みそ汁付き。2020年は320円)
サイゼリヤ ミラノ風ドリア税込300円(2026年8月時点)。価格改定は検討中で、未発表(7月16日時点)
最低賃金(2026年度の目安)全国加重平均で1,121円 → 1,176円(55円・4.9%アップ)
コメ5キロの店頭平均(産経・10月9日)2,860円(8週連続の値下がり)

出典:てるこさん・Pricey・てるこさん・nippon.com

日本視点

この記事は、日本のニュースが、中国の人にどう読まれているかを見るものだ。中国の人は、日本の安い外食を「機械で注文して、人件費を減らす仕組み」と「チェーン店の1人あたりの予算」で読み、日本の外食を「安くて、種類が多い」と評価した。2025〜2026年の旅行者の目にも、そのとおりに映る。

ただ、日本の人にとっては、牛丼の並盛は、2020年の320〜387円から、2026年の460〜498円まで、6年で3〜4割上がった。外国の人にとっては「まだ安い」ことと、日本の人にとっては「前より高い」ことが、同じ一杯の値段の上で両立している。回答3が書いた「400〜600円」は、2022年の感覚で、いまは上の端に近い。サイゼリヤの300円も、「ずっと変わらない」とは言えなくなった。安さは、材料・人件費・店の家賃の足し算で、少しずつ動いている。

どこが当たっていて、どこがずれているか

  • 当たっている:牛丼3社のなかで、松屋がいちばん安く、味噌汁が付くこと。人件費が高く、機械で注文すること。サイゼリヤが日本の企業で、ミラノ風ドリアが300円のままであること。
  • ずれている・注意が必要:「1人500〜700円」(並盛そのものが460〜498円で、いまは上の端が近い)、「400〜600円」(2022年の感覚)、「サイゼリヤの値段は動かない」(価格改定が検討されている)。
  • 確かめられなかった:パンの値段、ラーメン・セットの値段、金のとりから、スシロー・くら寿司の通常の1皿の値段。
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まとめ

  • 知乎で105万回読まれた質問「日本には、安いファストフードや飲み物は何があるか」。賛同のいちばん多い回答(1,452)は、パンに麺をはさんだものの写真を載せて「全部炭水化物。1個が約6元(約140円)」と書いた。ほかに、機械で注文する人件費の話をした回答と、牛丼3社の1人あたりの予算を並べた回答がある
  • いまの値段では、牛丼の並盛はすき家480円(2026年7月8日に値上げ)・吉野家498円・松屋460円(みそ汁付き)。松屋がいちばん安いのは変わらない。2020年の吉野家387円・松屋320円から、6年で約29%・約44%上がった。サイゼリヤのミラノ風ドリアは300円のままだが、価格改定が検討されている
  • 「1人500〜700円」は、いまは上の端が近い。パンの値段、ラーメン・セットの値段などは確かめなかった。外国の人には「まだ安い」ことと、日本の人には「前より高い」ことが、同じ一杯の上で両立している

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