天津飯は天津にない?日本に「天津」が多い理由 中国人の反応

「天津飯」や「天津甘栗」の「天津」は、中国の天津なのか。中国の質問サイト「知乎」の質問「なぜ日本の文化には『天津』が多いのか」(閲覧約34万回)への中国人の回答を、日本側の資料で確かめた。
元の質問:为什么日本文化里有很多地方出现「天津」字眼?(知乎・2019年9月・回答15件・質問ページ)

この記事の答え
  • 天津飯は、中国の天津にはない。日本で生まれた料理で、由来は東京の「来々軒説」と大阪の「大正軒説」の2つ(どちらも確かな証拠はない)
  • 天津甘栗の「天津」は、栗を輸出した港の名前。中国では「糖炒栗子」と呼び、北京の名物
  • 「あまつ」と読む天津は、中国と無関係。天津風(あまつかぜ)・天津小湊(あまつこみなと)など、日本の古い言葉

回答1「天津の読みは2つ。意味はまったく別」

蓝果子/2019年9月/賛同 1,522/回答を読む

“天津”这个词汇主要有两个读音,两个读音分别代表了完全不同的意思

「天津」には主に2つの読みがあり、それぞれまったく別の意味を表す。

回答によると、「てんしん」は中国の天津市、「あまつ」は日本の古い言葉で「天の」という意味。天津飯と天津甘栗は「てんしん」で、天津甘栗は「かつて天津港から日本へ栗がたくさん輸出されたので、この名がついた」という。

在日文里,凡是和中国天津相关的词汇,读音都是てんしん,目前没有发现例外的。

日本語では、中国の天津に関係する言葉はすべて「てんしん」と読む。いまのところ例外は見つかっていない。

「あまつ」の例として、回答は駆逐艦「天津風」や、古事記の「天津神」、神道の「天津祝詞」を挙げ、最後に「『あまつ』の見方で読めば、天津市は『天空の城』だ」と冗談で締めている。

回答2「天津飯は天津にない」

panpan2018/2019年9月/賛同 27/回答を読む

天津饭天津没有;中华饭,对我们来说,只要是中国的菜你都可以说中华饭

天津飯は、天津にはない。「中華飯」も、私たちには中国の料理なら何でもそう呼べてしまう。回答者は日本人に理由を聞いたが、日本人も知らなかったという。

回答3「中国の『天津』は皇帝が渡った場所」

安土/2019年9月/賛同 4/回答を読む

汉语中天津的由来是在明朝时,成祖靖难之役,从此处渡江后称帝,故得名“天子津渡”

中国語の「天津」は、明の成祖(永楽帝)がここから川を渡って皇帝になったことから、「天子津渡」と名がついた。

日本側の資料で確かめる

確認できたこと

  • 天津飯は天津では一般に食べられていない。日本人が経営する店などで、一部出しているだけ。関東は「天津丼」、関西は「天津飯」と呼ぶことが多く、東日本はケチャップ入りの赤いあん、西日本は醤油・塩のあんが多い。(出典:Wikipedia「天津飯」)
  • 由来は2説。来々軒説=1945年、東京駅八重洲口の店でコックがかに玉をご飯にのせ「天津丼」と呼んだ。大正軒説=大阪の大正軒の山東省出身の主人が、天津の「蓋飯」をヒントに作った。どちらも聞き取り・又聞きで、確かな証拠はない。(出典:Wikipedia「天津飯」)
  • 天津甘栗は、天津港が輸出の拠点だったから。中国国内では北京が名産地で、「糖炒栗子」と呼ぶ。台湾では「天津糖炒栗子」の名で売られている。(出典:Wikipedia「甘栗」)
  • 「あまつ」の天津は中国と無関係。天津風は「空高く吹き抜ける風」で、平安時代の和歌に詠まれ、駆逐艦の名にもなった。千葉県の天津小湊町は2005年に鴨川市と合併した。(出典:天津風・天津小湊町)
  • 中国の「天津」の名は、1404年に永楽帝が与えたとされる。民間では「天子津渡」の意味と広く言われている(回答3と合う)。(出典:中国語版Wikipedia「天津市」)

言いすぎ・未確認のこと

  • 回答1の「例外は見つかっていない」は、全部の言葉を調べた結果ではない。
  • 天津飯の由来は2説のままで、1つには決まっていない。日本語版Wikipediaにも「出典が不十分」の注意書きがある(根拠は田中静一『一衣帯水』1987年、早川貴正『天津飯の謎』2018年など。原書は未確認)。
  • 回答1の「お笑いコンビ『天津』は、天津甘栗のTシャツから名づけた」は確かめられなかった(結成1999年・吉本興業までは確認)。
日本側のデータ

まとめ表:日本の「天津」は2種類

てんしん(中国の天津)天津飯(日本生まれ)・天津甘栗(天津港から輸入)
あまつ(日本の古い言葉)天津風(駆逐艦・和歌)・天津小湊(千葉県の旧町名)
天津飯の呼び名関東=天津丼・関西=天津飯
天津飯のあん東日本=ケチャップ・西日本=醤油や塩

出典:Wikipedia(天津飯・甘栗・天津風・天津小湊町)・中国語版Wikipedia(天津市)

関連書籍

天津飯のように「中国にない中華料理」が日本で生まれた背景を、100年の歴史で追った新書。

※本欄には楽天アフィリエイトのリンクを含みます(広告)

→ 日本の食べ物 中国人の反応まとめ(22本)

タイトルとURLをコピーしました